有給休暇の使い過ぎで評価や賃金は下がりません!有給休暇は、労働基準法が保障する働く人の権利です!
日本の環境だと有給休暇が取りにくいという方も多いですよね。
有給休暇を使い過ぎることで評価が下がるのではないかと心配な方、評価が下がり賃金減額になることは違法です。その違反をした場合、会社側は懲役または罰金となっていますよ。
有給休暇は会社から支給されているので全て使っても良い休暇です!使い過ぎるということはありません。
休む理由を会社に伝える義務はないですし、正当な理由が無いと休めないということもありません。
この記事では、有給休暇を取得しても評価が下がらない理由や有給休暇の制度、有給休暇の使い過ぎは無いという理由をお伝えします。
下記の本などでも学び、ご自身のために有給休暇を有効に使いましょう!
有給休暇の使い過ぎで評価は下がらない!拒否は違法!
会社が有給休暇の取得を拒否すると労働基準法違反となります!罰則は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金です。
法律で定められているのにも関わらず、有給休暇を取ることでボーナス査定の評価を下げられてしまうこともあるようです。ですが、労働者に対する不利益な扱いで違法となります。
有給休暇は与えられる日数が決まっているので、”使い過ぎる”ということはありません。全部消化しても問題ないですよ!ブラックな会社でない限り、評価は下がらないのでご安心を!
有給取得や労働に関する相談をしたいなら各地の総合労働相談コーナーへ!
もし、ご自身の勤めている会社が有給休暇の取得により評価を下げる会社であれば、社内の相談窓口や労働局の総合労働相談コーナーが各地に設けられていますので、そちらに相談しても良いでしょう。
総合労働相談コーナーの所在地
各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内などの379か所に設置しております。
厚生労働省ホームページ
会社に迷惑がかかるような有給休暇の取り方は評価に関わることもあるかもしれません。ですが、有給休暇を取ること自体は当然の権利なので、取得することは悪いことではありませんよ!
不利益な扱いをされている方は、ご自身の精神が病んでしまう前に誰かに相談しましょう。
転職するのも大変だとは思いますが、今後のご自身の人生を考え、働く場所を変えるという選択も良いかと思います。
1日単位で考えると出勤準備から会社へ行き、自宅に帰るまで何時間使っているか計算したことはありますか?私は通勤時間が短いことや残業がほとんど無い環境ですが、それでも11時間は使っています。
1日24時間中、会社に勤めるために使用しているのが11時間。残り13時間の内、7時間ほど睡眠を取っているとしたら、自由に過ごせる時間は残り6時間。
食事や入浴、家事などに時間を使っているとほぼ時間が無くなってしまいますよね。
残業や子育てや介護などで、自分だけの時間がほとんど取れていない方は多いと思います。そう考えると時間はかなり貴重なのがわかってきます。
そのご自身の貴重な時間を有給休暇の取得で獲得できるのに対し、有給休暇を取得しづらいからと放置して消滅させてる方が多いのが現状です。
人生の大半を仕事に使っているのに、自分の有給休暇を削ってまで会社に時間を使いたいのでしょうか。人生をより豊かにしていくために、今一度考えてみましょう!
法律で有給休暇を取った人に対する賃金減額は違反とみなされる!
有給休暇の取得による”不利益な取扱い”は違法!!ボーナスや賃金査定の際に有給休暇の取得で評価を下げることは法律に反します!
労働基準法第136条では、”有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない”と定められています。
詳しくは下記の厚生労働省のホームページにも記載されていますよ。
労働基準法に定められた年次有給休暇の取得に対する不利益取扱いの禁止について、労働基準法附則第136条は、使用者は年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないということを規定しています。年次有給休暇の取得を賞与査定のマイナス要素として扱うことはこの規定に抵触することになりますので許されません。
厚生労働省ホームページ
会社側が不利益な取扱いをしてしまうと法律違反となり、懲役や罰金が課せられます。
有給取得に関してのパワハラに要注意!パワハラ防止対策は義務
有給休暇の理由を聞いて取得を拒否してしまうと、違法にもなりますし、パワーハラスメントにも該当する可能性があります。
上司の人が部下に必要以上に理由を聞くことは止めましょう。どんな理由であれ、有給取得を拒否することはできません。
あまりにやり過ぎてしまうとパワハラになってしまうので、気をつけましょう!
パワハラについては、年々防止対策が進んでいます。パワハラ防止法が2020年6月1日に施行されました。
大企業では職場のパワーハラスメント防止対策を講じることが義務化されています。2022年4月1日から中小企業でも義務化されました。
厚生労働省が定義しているパワハラとは、「職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」としています。
パワーハラスメントは6つの種類があり、以下の通りとなっています。
- 身体的侵害
- 精神的侵害
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過小な要求
- 個の侵害
パワーハラスメントによる精神的苦痛は、生きる活力も奪ってしまい、うつ病のリスクも引き起こしてしまいます。
ご自身のメンタルに関わるのであれば、有給休暇も使い過ぎなくらい取得することでメンタルの改善にも繋がるでしょう。
時代がどんどん変わり、昭和の頃のように部下への愛情表現として怒鳴ったり、集中して強い指摘をしたりすることもできなくなってきた時代ですね。
これからの時代の働き方は、上下関係ではなく、横の人間関係が重要になってくると言えるでしょう。ある程度の自由がないと退職者も増えていく一方です。
現在では、当たり前のように家でもカフェでもフリーランスで好きなことをして生きていける時代になってきました。
会社員として働いていると、従業員の定着がしづらい状況なのが感じられて、今後は会社というシステムも大きく変わっていかないといけないのではないかと感じます。
有給休暇を使い過ぎる社員は悪くない!全消化が正解!
給料と同じように有給休暇も会社から支給されているので、どのように使おうが本人次第です!!
有給休暇をたくさん取ると使い過ぎているように感じ、会社に悪いなという気持ちが湧くのが日本人。
給料をもらえるのに、貰いづらいからと貰わないという人はいませんよね。有給休暇も同じです。
有給休暇は取得して良いと渡されている休暇です。働いている社員は取得する権利があります!
有給休暇を使い過ぎてダメだと上司に言われたら、使う人が悪いのではなく、上司の勉強不足なこともあるかもしれません。
ですが、仕事を中途半端にしたまま休みを申請するのも問題です。休暇を取る環境をしっかり作ってから休むようにしましょう!
会社などに勤めていたら、当たり前の様に貰える有給休暇ですが、取得には条件があります。
- 6ヶ月以上の継続雇用
- 全労働日数の80%以上勤務
- 所定労働時間が週30時間以上又は所定労働日数が週5日以上
雇用形態などによっても、日数などが異なりますので、次の項目でご紹介します!
正社員や契約社員(フルタイム)の有給休暇日数
有給休暇は6ヶ月を経過した日に10日付与され、その後継続勤務年数に応じて有給休暇が増えていきます。
有給休暇の日数については、下記をご覧ください。
勤続年数(年) | 有給休暇付与日数(日) |
0.5 | 10 |
1.5 | 11 |
2.5 | 12 |
3.5 | 14 |
4.5 | 16 |
5.5 | 18 |
6.5 | 20 |
社員として勤続6.5年になると20日間の有給休暇が毎年発生しますので、毎月2日程度の有給休暇を取得しないと消化できない計算となります。
パート社員(短時間勤務)の有給休暇日数
短時間のパート社員についても、有給休暇は発生します。働く日数によって有給休暇も変わりますので、ご確認ください。
週間労働日(週に何日勤務か) | 4日 | 3日 | 2日 | 1日 |
年間労働日 | 169〜216日 | 121〜168日 | 73〜120日 | 48〜72日 |
勤続年数(年) 0.5 | 7日 | 5日 | 3日 | 1日 |
勤続年数(年) 1.5 | 8日 | 6日 | 4日 | 2日 |
勤続年数(年) 2.5 | 9日 | 6日 | 4日 | 2日 |
勤続年数(年) 3.5 | 10日 | 8日 | 5日 | 2日 |
勤続年数(年) 4.5 | 12日 | 9日 | 6日 | 3日 |
勤続年数(年) 5.5 | 13日 | 10日 | 6日 | 3日 |
勤続年数(年) 6.5 | 15日 | 11日 | 7日 | 3日 |
パートや短時間勤務の方は、子育てや他のお仕事など、会社だけに時間を割けない理由があるはずです。
有給休暇は有効に使用していきましょう。使い過ぎということはありません。全て消化するように予定を組んで取得しましょう!
取得の計画をするにあたり、下記の様な届出をすると会社側も管理がしやすいかもしれません。
有給休暇の使い過ぎは法律違反では無い!消滅前に取得!
個人の有給休暇を必ず年に5日取得しないと、会社が罰則を受けることになります!
なので、会社としても有給休暇の使い過ぎで困るというよりは、最低でも年5日は有給休暇を取得してもらわないと罰則のため使ってほしいのが一般的。
そのため1年に1度、5連休を取るルールに変わった会社も多いはず!
私の会社でも年1度、5連休取得をすることが決まり毎年取得できています。その連休に土日が追加され、実質7〜9連休となっていますよ♪この機会に旅行なんていかかですか?
働き方改革で有給休暇の取得5日間が義務化されています!!
2019年4月より労働基準法の改正で、有給休暇の取得が義務化されました。
年に10日以上の有給休暇が付与されている労働者は、必ず5日取得しなければなりません(労働基準法第39条7)。
ただし、5日間の有給休暇をすでに取得している場合、会社側から追加で5日間の有給休暇を取得させる義務はありませんよ。
5日以上の有給休暇取得が義務化された理由は以下です。
- 世界各国に比べて有給消化率が圧倒的に低い
- ワークライフバランスの充実を図る
- 慢性的な長時間労働の是正
改善の傾向ではあるようですが、世界と比べると有給休暇の取得率が低い現状です。
世界では有給休暇を取ることが当たり前。使い過ぎて評価が下がったり、使い過ぎによる上司からの指摘は無いことがほとんどでしょう。
有給休暇は翌年へ繰り越せる!2年間を超えると時効により消滅
有給休暇を付与されてから1年間で消化できなかった場合には、残日数の繰越が可能!!
有給休暇取得の時効は付与されてから、「2年」となっています。未消化の有給休暇は2年経つと消滅してしまうので、消滅する前に取るようにしましょう!
有給日数の表で紹介した通り、フルタイム出勤の方は6.5年以上の勤続年数で20日の有給休暇が付与されます。
1年に5日取得の義務で有給休暇を取ったとしても、残り15日あります。翌年に繰越になるとその1年で15日を使い切らないと消滅してしまいますよ!
15日の繰越だと、翌年には35日の有給休暇を持っていることになります。月に2〜3日お休みを取ることができますね♪
仕事が忙しいから休めない。なんて人もいるかと思いますが、ご自身のためにキャパオーバーになる仕事を引き受けない、人を頼る、休むために効率良く仕事をする、ということに焦点を当ててみてはいかがでしょうか。
会社は重要な人が1人居なくなっても、なんとかなるものです。ですが、ご自身の人生は自分でしか変えれないので、会社に固執していた方は、考えを改めてみても良いかもしれません。
会社のために頑張ること、苦労することが当たり前では無くなってきた時代です。
50代前後の上司たちを見ていると、会社の目標のためにばかり気を取られていて、自分の人生の目標はあるのかなと心配になります。
就業時間が過ぎていても、休日でも、リモートワークが出来るからと家でも仕事している方もいますが、見方を変えると自分の仕事と時間がコントロールできていない。ということでは無いでしょうか。
自分の時間配分もできていないのに、部署や部下の管理ができると思えませんよね。仕事ができる人は、残業なしで定時上がり、休日もしっかり取っているはずです!
会社が働き方改革や新規ビジネスを始めようとしている時代。個人でも働き方改革、副業や転職などの新規ビジネスを考えることは必然です。
情報が溢れている時代ですので、娯楽的なSNSや動画で時間を潰さずに自分のプラスになることも学んで行きましょう!
総務や上長などの役職で、個々の有給休暇を管理しないといけない方は、下記のような管理簿を使うのも良いでしょう。
まとめ
- 有給休暇の使い過ぎで評価が下がることはない
- 会社側は有給休暇の使い過ぎなどという不利益な取扱いをしてはならない
- 有給休暇は会社から付与されているので使い過ぎということは起こらない
- 会社が有給休暇の取得を拒否すると労働基準法違反となる
- 有給休暇を取った人に対する賃金減額は違反
- 雇用形態などによって有給休暇の日数が異なる
- 有給休暇取得の時効は2年
有給休暇を取っても評価が下がらないことがわかりましたね!もし、有給休暇を取ることで賃金減額や評価が下がるといったことがあれば、専門家に相談してみましょう!
働き方が時代と共にだんだんと変化しているので、情報を集め、ご自身の心身がイキイキとできるようなライフワークを目標に掲げ進んでいきましょう♪